(-)-Gibberellin 18の全合成
Mingji Dai先生による(-)-Gibberellin 18の全合成。
https://pubs.acs.org/doi/abs/10.1021/jacs.2c12470
植物ホルモンとして有名なジベレリンはWikipediaによると136種類もあるそうです。
SI読みまして、以下が面白かったです。
シクロヘキセンの開裂→5員環構築
オゾン分解により二重結合を開裂してからアルドール反応を行うことで、6員環から5員環へと変換。
光反応による4員環の構築
系中で生成したアレンを、2環性骨格のconvex面から反応させることで、4置換部位を構築。
4員環→5員環への環拡大
ヨウ化サマリウムを用いたラジカル反応により実現。
こういう環拡大はかっこいいですね。
ケトンの還元
ヨウ化サマリウムを用いることで、目的の立体化学の水酸基を優先的に合成。
なおNaBH4などを用いると逆の立体化学が優先して得られることから、反応条件を検討されたようです。
最終工程でこの検討はかなりしんどかったと思われます。
私だったらあきらめて不斉還元でゴリ押ししてしまうかも。。
以上、ジベレリンの全合成でした。